日英翻訳: 日本文の前編集
ここでは、日→英翻訳に欠かせない「前編集」のルールについて説明します。
係り受けのルールについて
ここでは、「の」、「と」、「または」などでつながった語句がどのような順序で翻訳され、どの語句を修飾するのか、そのルールについて説明します。
係り受けの優先順序
係り受けには優先順序があります。最初に、このルールを説明します。
優先順序
次のルールに従って翻訳が行われます。
【ポイント】
形容詞 連体助詞 |
と や および または |
、 | 節 |
【メモ】
連体助詞とは、名詞と接続し、名詞を修飾する助詞のことです(例: 「の」、「による」)。
実際にどのように翻訳されるのか、見てみましょう。
【例】 形容詞 > 「と」、「や」、「および」、「または」
翻訳結果 | Severe nature and environment |
【例】 連体助詞 > 「と」、「や」、「および」、「または」
翻訳結果 | A camera made in Japan and a clock |
【例】 「と」、「や」、「および」、「または」 > 「、」
翻訳結果 | A carpet in a house, a curtain and a cushion |
【例】 「、」 > 節
翻訳結果 | A person in charge, the companion who wore a uniform |
並列関係を止める語句
次の語句がある場合は、「と」や「の」などの並列詞が含まれる文章でも、並列関係がその語で区切られます。
「など」
翻訳結果 | An usable product of stereo and cleaning machines is thrown away. |
格助詞
翻訳結果 | They accused the employee who handed competition company a reproduction and a plan. |
例外について
係り受けには、このようにいくつかのルールがありますが、必ずしもすべての文章がルールどおり翻訳されるとは限りません。
日→英では、それぞれの語句に意味素性を持たせています。また、各品詞も組み合わせて使用する前置詞などを指定することができるため、前後の語句によって翻訳結果が複雑に変化します。特に複数の係り受けがある場合は、中核にくる名詞の意味素性が考慮されるため、ルールどおりに出力されないことがあります。